〈商品説明〉
玉のれん、ではない。珠のれん、である。
木製の大小の玉に穴をあけ、そこに数珠のように紐を通して繋いだものを何本も連ねて吊り下げ、のれんのように空間の仕切りとして使用する。
巾は半間(はんげん=約85cm)のものが多く、長さは150cmから90cmくらい。中央がアーチ型にあいているデザインもある。
珠は大小だけでなく、雫のような形、マカロニ状のもの、サイコロ状のものもあり、その組合せでできていて、色は茶、黒が中心。
※黒のみのご用意になりました。
サイズ 85cm×120cm
素材 楓
産地 兵庫県小野市
〈仕入れの話〉
兵庫県小野市の算盤を作る工場で作ったのが始まりだと聞いているが、自身で製作現場を確認したことはない。
かつては、台所と食堂の間、玄関から見える廊下の入口などの仕切りとして活躍した。のれんを開けるようにしてくぐる。その時、木質の珠が当たり、カラカラ、と音がする。なんだか別の世界に一歩踏み入れたようでもあり、隣と変わらぬ空気が流れる場所どうしを曖昧につなげる装置のようでもある。結界というほど大げさな仕切りでないところがよい。
昭和のころ、日曜劇場というTV番組で、京塚昌子さん演じる肝っ玉母さんが着物姿で、「ねえ、ちょっと!」などと小首をかしげて珠のれんの向こうから現れるのだった。
今ではインテリア用品店の店頭で見ることもまれであるが、穏やかに空間を区切る装置として秀逸である。