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〈商品説明〉
深めの市場かご。二本二間飛び網代編み。縁は籐で縦、横にかがっている。四隅を革で、底は竹で補強している。
サイズ 縦30㎝(持ち手を含むと45cm)×横39㎝×マチ17㎝
素材 すず竹、籐
産地 岩手県二戸郡一戸町鳥越地区
〈仕入れの話〉
鳥越地区では縄文時代から竹細工があった。すず竹で編んだ敷物の上で土器を形成していたので、発掘された縄文土器の底に跡が残っているそうだ。
なぜ鳥越地区ですず竹細工が発展したのか、は諸説ある。平安時代初期に、慈覚大師というお坊さまが鳥越観音を開基した。その頃部落では疫病が流行っており、大師はそれを鎮めるために観音様を信仰するよう勧め、さらに皆に肉食を禁じた。耕作地の少ない鳥越地区では、山に入って獣や鳥を追わなければ、川で魚を捕らなければ生活ができない。大師は肉食を禁じる代わりに、家業の助けとなる竹細工を伝授した、というのが説のひとつ。
山に入って自生するすず竹を採り、割いて、厚みと幅を整え、編む。その工程を家族内で行い、各々が技を競い合う。そして代々磨いた技が部落の外へ漏れないように守る。
鳥越地区では2018年から地域のすず竹に花が咲き、枯れ始め、材料が採れずに困っている。花が咲くのは120年に1度。編み手の高齢化もあり、技術の継承が難しくなっている。
鳥越地区の歴史、暮らしそのものが、繊細で美しい竹細工と重なって見える。訪れた時に目にした、靄に包まれた鳥越神社の鳥居を思い出す。静かで厳かで、俗世から離れたような空気。私のような外から来た人間には近寄りがたかったが、今度はお参りしてみたい。ものを通して産地を知る。仕入れの醍醐味である。
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